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澤田先生からのメッセージ
東京大学大学院情報学環・薬学系研究科(医薬品情報学) 教授 澤田 康文 先生
薬剤師の業務は、「処方せんチェック」「薬の調製・調合とそのチェック」「医薬品管理」「服薬指導」「薬歴管理」「医薬品情報提供活動」など、実に様々である。これらの業務に関して薬剤師の責任が問われる場面としては、まず調剤ミスがある。これは何十年も前からある医療ミスであるが、薬剤師として最も基本的な業務ができていないということなので、責任を問われるのは当然である。また最近、医師による不備な処方設計に対して、薬剤師が疑義照会をせずそのまま調剤を行い、患者に有害事象が発生したために裁判となった事例が報告された。この事例では、医師ばかりでなく薬剤師も責任を問われ、患者に対して損害賠償しなければならないという、薬剤師にとって極めてインパクトのある判決が下された。そして、おそらく近い将来必ず問題になると懸念されるのが、薬剤師の不適切・不十分な服薬指導が原因で患者に何らかのトラブルが起き、薬剤師の法的責任が問われるケースである。特に、がん治療の進歩により、化学療法が複雑化しているなか、薬剤師としても抗がん剤の調剤は言うまでもなく、処方せんチェック、服薬指導の充実は欠かすことができない。さて、薬剤師が抗がん剤の適正使用を隘路なく進める臨床能力を具備するためには、どうすればよいのであろうか?それには、以下の 2 つの重要なキーワードがあると考える。
1) 臨場感
医療現場の臨場感から、日々研鑽意欲を高めることが重要である。そのためには、実際に医療現場で起こった様々なインシデント、アクシデント事例や、今後、惹起することが予測されるトラブルなどを生きた教材として学ぶことが有用である。
2) e-Learning
処方せんチェック、疑義照会のノウハウを、処方せんチェックのポイント(カテゴリー分類)毎に問題形式でまとめることは重要である。処方のどこが問題なのか?、なぜ問題となるのか?、その問題点を回避するためにはどうすればよいのか?について考え、答えることは極めて有用である。Q & A 形式に基づく e-Learningはこれらのテーマを効率よく学ぶことができるツールである。
