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頭頸部癌の治療に伴う摂食・嚥下障害 国際医療福祉大学三田病院 頭頸部腫瘍センター 三浦 弘規  先生

頭頸部癌の治療では、手術療法、放射線療法、がん化学療法を大きな柱に、それぞれを組み合わせた集学的治療が行われます。がんのみでなく治療自体が、直接・間接的に摂食・嚥下に関わる器官に障害を与えるため、その機能を低下させることは避けられません。頭頸部癌の治療に際しては、がんを治すことだけではなく、後遺症を最小限に抑えること、治療後の機能回復・QOLの向上を十分に図ることが大切です。そのためには様々な職種が協力し合うチーム医療が必須であり、薬剤師の方々の積極的な参加が望まれます。

頭頸部癌における摂食・嚥下障害

臨床の場では、食物の認知から始まり咀嚼から嚥下まで食べること全体を対象にした障害を診なければなりません。具体的には誤嚥性肺炎を起こさないということが、最低限かつ最大の問題になります。咀嚼中に食べ物は中・下咽頭まで送り込まれ、そこで食塊を形成した後に嚥下されるというstage U transportの概念が最近解明されました(図1)。液体の飲み込みから説明されてきた従来の『嚥下障害』とはまったく違い、固形物の摂食・嚥下という機能はとても繊細・デリケートなものであることがわかってきました。原因は器質的障害、機能的障害、心理的障害に大きく分けられます(表1)。摂食・嚥下障害は患者さんの栄養状態を悪化させます。体力の低下とともに回復力や免疫力が低下し、創傷治癒を遅延させ感染症のリスクが高まります。障害が長引くほどに患者さんの意欲低下・食欲不振も加わり、さらに食べられなくなるという悪循環が生じます。

■図1 摂食・嚥下の機序
■表1 摂食・嚥下障害の原因
器質的原因 舌や咽頭の構造そのものの変化 術後の腫脹、萎縮、瘢痕、放射線による粘膜炎 など
機能的原因 嚥下に関わる神経や筋肉の障害 がんの浸潤、手術による障害、舌下神経麻痺、顔面神経麻痺、薬剤の副作用 など
心理的原因   うつ状態、心身症、神経性食欲不振 など

 

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PICC No.15 頭頸部癌 2008年7月

この頁の記事提供:株式会社医薬情報センター

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